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サービス産業の特性

金融サービスや教育サービス、交通サービスなど簡単に思い浮かぶだけでもサービス産業は多種多様で、「サービス産業は・・・」というおおくくりな分類でサービス産業を議論するのは危険です。

サービス産業の多様性


金融サービスや教育サービスなど、各分野ごとに特有の性質があります。このような意見は数多く聞かれるのですが、果たしてサービス産業だけが多様な下部業界を抱えているのでしょうか?

実は製造業においても同じように多種多様な業界があるといえるのではないでしょうか。自動車産業と家電産業を簡単に同じような見方で議論することはできないでしょう。サービス産業だけを複雑な存在として特別視することは危険です。

サービス産業という大きなくくりで共通部分のみを議論することが大切であり、何が業界特性であり、どの部分がサービス産業共通特性かを合理的に判断していかなければいけません。

少なくとも、サービス産業はサービスという財を商う産業です。サービスは明らかに製造業が扱う財(自動車や機械、食品、繊維など)とは異なるものです。まず、サービスは手で触ることができません。目で見ることもできません。

これをサービスの 「無形性」といいます。また、サービスは保存することができないので、「同時性」があるといいます。サービスはそのときそのときに消えてしまうものです。

サービス産業の若年性


さらに、サービス産業は市場の急激なニーズの変化に対応しなければならないため、製造業に比べて若い産業が多いのです。

産業として成立してそれほど時間が経っていないということから、企業の規模もまだ大きくなっていないものが多いという特性もあります。

これは中小企業比率が高い「新規性・中小企業性」という語で説明されます。サービス産業が一般的に生産性が低いといわれるのは「新規性・中小企業性」があるからだともいえるでしょう。

そのため、高度なサービスを維持発展させていくための産業人材の育成が不十分で、人材育成や知識の体系が整備されていないということです。また、産業の若年性から資本の蓄積が進まず、その結果、継続的な投資が行われにくく、最新の科学技術の活用が不徹底になります。

国内産業としてのサービス産業


サービス産業は競争が地域的に限定的になる性質があります。

1億人を収容できるような大きなスーパーマーケット(実現不可能ですが)を地価が安い地域に建設しても、そこに日本全国の人が買い物に行くことはありません。サービスを購入するのは消費者にとって地理的に近隣であるお店に限定されます。それは貿易財にもなりにくいということを意味します。そのため、サービス産業は長く国内産業として位置づけられてきました。

サービス産業は、製造業のように手ごわい海外の競争相手が目前にいるわけでもなく、工夫や改善はそれほど積み上げなくても、上手くいく面ががありました。そのため、モラールや倫理観が欠如するなどの様々な構造的問題があります。国内産業であるという産業自体の意識が、サービス産業全体の自己認識や競争的な真摯さが欠如した点からイメージを悪くしている場合がありました。

このように、伝統的にサービス業は製造業と比較して「ネガティブな印象」をもたれる傾向がありました。また、優秀な人材も集まらないという問題が常にあり、悪循環が生じていました。

また、サービスに関するノウハウは知的財産として保護することが難しく、新サービスの優位性が急激に消滅する傾向があります。


グローバル化がサービス産業にもたらしたもの


以上のように、サービス産業は「課題」を抱えています。しかし、これらの課題の根源がグローバル化をはじめ、社会の大規模な変化によって、大きく変化してきています。

特にサービス産業は国内産業としての位置づけを変えようとしています。すでに多くのサービス企業が海外進出しているように、サービスは国境を越えていく流れにあります。その意味で、サービス産業がまったく新しいステージに進む局面にあるといえるでしょう。

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